ヘルシンキ大学はフィンランドの全ての大学と同じく、国立で学費も何も学生の負担には一切なりません。フィンランドの大学制度については、前も書いています。留学生も学費は取られませんけれども、もちろんほとんどの授業はフィンランド語なので、フィンランド語ができないと取れるコースがかなり限られてしまいます。一応英語のプログラムもいくつかあるようですので、留学生も少なくはありません。
ところが、この数週間新聞では、「フィンランドの大学生は皆バイトしてばかりいる、なかなか卒業しない、無料の教育の返しに早く社会人になって税金を払ってくれない怠けもの!」という投稿がいくつかありました。(バイトも税金は払うんですけど。)
それをきっかけにして、先週面白い記事が新聞に載せていました。ヘルシンキ大学は元首都のトゥルク(名前も「トゥルクアカデミー」でした)に開校された1640年、フィンランドはまだスウェーデン王国に支配されていましたけれども、実は、ヘルシンキ大学を創立した人は、当時13歳であったスウェーデンの王女様だったそうです。「十代の女の子に創立された大学で学びたいと思いませんか?」がいい広告になるかもしれません。
しかし、それだけではなくて、どうも昔の大学生もかなりとんでもなかったようです。まず、卒業率が低くて、多くの学生は途中で就職して退学していました。そしてまだ創立して数年も経っていないうち、一年生のパーティーがあまりにもワイルドで禁止されざるを得なかったようです。1800年になって、首都も大学の位置もヘルシンキになっていた頃、学生達が他の人より規則が厳しかったです。禁止されたのは、例えば午後10時以降出かけること、タバコは吸うこと、学長にお知らせせずにヘルシンキ市を出ること(!)などでした。規則を守らなかった学生は、大学の本館の地下牢に入られました。ちなみに、その地下牢は現在、女子トイレになっています。
たぶん、今の学生生活は昔に比べて楽だろうと思いますけれども、卒業したくない理由はそれだけではなくて、かえって社会人としての世界があまりにも厳しくなってしまったということもあるのではないかと思います。
ゼミ室から撮ったヘルシンキ大学のメインキャンパスと大聖堂 |
今日のフィンランド語の単語は・・
「ahkera opiskelija 」(アフケラ・オピスケリヤ)ー 勤勉な学生。
私のことではないです。
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