2015年6月2日火曜日

Hyvinvointivaltioの終わり?

先月日本に来ました。もうフィンランドの真夏を超えてる暑さですね。

今は日本で主に修士論文を書いていますが、この間ちょっと台湾も訪れました。

日本で見かけるフィンランドは、例えばマリメッコのお店、イッタラの食器、ムーミングッズ、適当なフィンランド語の名前が付けられたお店(ehkä söpö, Kiitos...)などがありますが、台湾ではあまりフィンランドが知られているイメージはありませんでした。去年の冬も台湾に行ってはいますが、特にフィンランドに関係のありそうなものは見かけなかったです。しかし、今回はたった四日間でびっくりするほど「フィンランド」を見かけました!

マリメッコは台北にお店を出してるようです!日本と違ってマリメッコの鞄はまだそんなに町中に見かけなかったですが。

夜中のマリメッコ(台北市大安区)
 そして、松山文創園區の誠品生活松菸店(eslite)ではアルバー・アールトのartek商品が置かれていてびっくりしました!

artekがお店の一部に置いてある
この建物に入ってみたら、なんとフィンランド語の名前の付いた洋服ブランドのコーナーがありました!お店の名前kotipesä」の意味は中国語のチラシにも書かれたようでしたが、koti「家」とpesä「巣」をくっついて、愛を込めた自分の家(または動物の巣など)の呼び方です。洋服は別にフィンランドに関係はないようですが、雰囲気からすると名前には違和感がないですね。

kotipesä

そして最後に、「Onni」という名前の洋服屋さんです。フィンランド語では「幸福」または「運」という意味ですが、この当時(夜中)閉まっていたお店は果たしてフィンランドに関係あるんでしょうかね・・・

Onni, 台北市大安区

「台湾においてのフィンランド」でした。

そしてもう少し真剣な話題へ。この間フィンランドで国会選挙がありましたが、結果はとても残念でした。与党になった3党は、価値観の面で保守的で、福祉社会を捨ててお金持ちしか幸せに生きていけない社会を作ろうとする人たちです。これから、教育予算を減らしたり(公約でそうしないと言ったのに)、医療予算を減らしたり、労働環境を改悪したりする予定だそうです。フィンランドの将来は怖いです。これからの4年間、野党に与党の計画できるだけ止めてほしいですが、どうなるんでしょうかね・・・

では、今日のフィンランド語は「hyvinvointivaltio」(ヒュヴィンヴォインティヴァルティオ)-「福祉国家」です。3つの単語で作られています― hyvin(良く、元気に)vointi(調子、状態)valtio(国家)、つまり「調子のいい国」ですね。

ちなみに、「Voi hyvin!」 と言ったら「元気でね!」という意味になります。


2015年4月17日金曜日

Sun kainaloosi käperryn ja jos sallit yöksi jään.

久しぶりです。2ヶ月間も経ってしまったようですね。

冬は長く感じました。春になったかと思ったらまた雪が降ったりしていて絶望するところでしたが、今はようやく春になったと言える・・・かな。

3月25日に教室を出たら・・
春の兆しネコヤナギの花穂

北西ヘルシンキの人工山「Malminkartanonhuippu」から見たヘルシンキ

今回はフィンランド語のある表現について少し書きたいと思います。「脇の下に来て!」と言われたらどう思いますか?変態話ではなくて、フィンランド語では「Tule kainaloon!」(tulla 「トゥッラ」= 来る、kainalo「カイナロ」 =  「脇の下」)と言われたら、抱きたいわけです。日本語で「腕の中においで」と翻訳したら意味がたぶん似ていると思います。同じく「olla kainalossa」(脇の下にいる)と言ったら「腕の中にいる/抱かれる」という意味になるでしょう。ところが、この間、日本の方に「脇の下」に入るなんて、変態みたいじゃないですかと言われて、初めてこのフィンランド語の独特な表現について考えてみました。確かに英語でも「Come to my armpit!」と言ったらおかしいものです。しかし、フィンランド語的に「脇の下」とはやはり最も安心できるところなのではないかと思います。「脇の下」に入って映画を見るとか、「脇の下」で眠るとか・・ちなみに、実際に頭を脇の下に入れるわけではなくて、「抱く」みたいなものです。でも、この表現のお陰で「kainalo」という単語にはたぶん「脇の下」ほど熱くて汗臭いところのイメージがないと思います。言語によって身体の部分にも様々な意味がありますね。

今日のヘルシンキ
タイトルはこの曲の歌詞の一部です。
直訳は「あなたの脇の下にうずくまって、あなたがそれで良かったらここで一晩過ごす」
(Juice Leskinen: Viidestoista yö)


2015年2月6日金曜日

Helsingin yliopisto.

今年、ヘルシンキ大学は375周年に迎えます。フィンランドの最古の大学で、3万人の学生と4000人の研究者が居り、国内最大の大学でもあります。ちなみに、世界大学学術ランキングでは73位で、国際的に見ても良質の研究が行われているようですね。(こういうランキングは基本的に批判的ですが・・)

ヘルシンキ大学はフィンランドの全ての大学と同じく、国立で学費も何も学生の負担には一切なりません。フィンランドの大学制度については、前も書いています。留学生も学費は取られませんけれども、もちろんほとんどの授業はフィンランド語なので、フィンランド語ができないと取れるコースがかなり限られてしまいます。一応英語のプログラムもいくつかあるようですので、留学生も少なくはありません。

ところが、この数週間新聞では、「フィンランドの大学生は皆バイトしてばかりいる、なかなか卒業しない、無料の教育の返しに早く社会人になって税金を払ってくれない怠けもの!」という投稿がいくつかありました。(バイトも税金は払うんですけど。)

それをきっかけにして、先週面白い記事が新聞に載せていました。ヘルシンキ大学は元首都のトゥルク(名前も「トゥルクアカデミー」でした)に開校された1640年、フィンランドはまだスウェーデン王国に支配されていましたけれども、実は、ヘルシンキ大学を創立した人は、当時13歳であったスウェーデンの王女様だったそうです。「十代の女の子に創立された大学で学びたいと思いませんか?」がいい広告になるかもしれません。
しかし、それだけではなくて、どうも昔の大学生もかなりとんでもなかったようです。まず、卒業率が低くて、多くの学生は途中で就職して退学していました。そしてまだ創立して数年も経っていないうち、一年生のパーティーがあまりにもワイルドで禁止されざるを得なかったようです。1800年になって、首都も大学の位置もヘルシンキになっていた頃、学生達が他の人より規則が厳しかったです。禁止されたのは、例えば午後10時以降出かけること、タバコは吸うこと、学長にお知らせせずにヘルシンキ市を出ること(!)などでした。規則を守らなかった学生は、大学の本館の地下牢に入られました。ちなみに、その地下牢は現在、女子トイレになっています。

たぶん、今の学生生活は昔に比べて楽だろうと思いますけれども、卒業したくない理由はそれだけではなくて、かえって社会人としての世界があまりにも厳しくなってしまったということもあるのではないかと思います。

ゼミ室から撮ったヘルシンキ大学のメインキャンパスと大聖堂

今日のフィンランド語の単語は・・
「ahkera opiskelija 」(アフケラ・オピスケリヤ)ー 勤勉な学生。
私のことではないです。

2015年1月22日木曜日

Keskitalvi.

お久しぶりです。
冬休みは日本で過ごしてきました。ほとんど限りなく面白い鳥取にいましたけども、東京、山形、京都なども訪れました。

フィンランドにもあっちこっちでぶつかりました。

東京の品川駅内に12月にあった「北欧雑貨フェア」。
下の棚にフィンランドのハンドソープbliwも。

チェーン店の雑貨屋さんの「キートス」(=フィンランド語で「ありがとう」)で
なぜかスウェーデンの国旗・・??

新宿で伊勢丹の広告はフィンランドの先住民のサーミ人が
テーマになってるようでした。
伊勢丹のウィンドーの巨大なサーミ人!

東京の「spiral」でiittala(イッタラ)も売っていました。
12月にフィンランド人のアーティストの作品も展示に置かれていました。

日本ではフィンランド(と北欧)ブームはまだまだ続いているようですね。もうすでにフィンランドに行ったことがある方、いつか行ってみたいと言ってくれる方に会って、とても嬉しい気分でした。まあ、たまにフィンランドがちょっと理想化されている気もしますけども・・

フィンランドに関係のない写真もどうぞ。

鳥取駅

鳥取砂丘

新宿のクリスマスイルミネーション
山形の上山温泉街
帰国して、また大学と仕事で忙しくなりました。今のところ、雪が多くて、−15度の非常に寒い日もあれば0度くらいの中途半端な日もあります。毎朝、何を着ればいいのか悩みます。大学以外にあまり出かける暇がないですけどね。

今回のフィンランド語の単語は「pakkanen」(パッカネン)です!意味は「零下」、「氷点下」に近いです。
Pureva pakkanen! = 「噛む氷点下の温度!」(零下で、肌が噛まれているかのように痛いほど寒い時に使う)